カーボンを制するものは・・・

ずいぶんと、ご無沙汰してしまいました。
ここのところ、出張続きで、
デイリーアイを更新する時間がとれず、
大変、申し訳ありません。
あと1時間ほどしたら、今日も、関西方面へ出張です・・・。

今週の日経ヴェリタスの特集は、
「博士が選ぶ有望技術」です。
その中でも、おもしろかったのが、
東京大学教授の橋本和仁氏の話。

「20世紀が無機物の時代なら、
21世紀は有機物の時代」

ケイ素(砂に含まれている物質)など無機物からできる
半導体は20世紀の“産業のコメ”でしたが、
21世紀は地球上に豊富に存在する有機物の活用が
カギになるというのです。

有機物というのは、炭素を含む化合物の中で、
炭素と酸素からなるもの(一酸化炭素や二酸化炭素以外)
をいいます。
つまり、地球上に無尽蔵に存在する
炭素の活用がカギになるということです。

まさに、そのパラダイムシフトが起こっているのが、
太陽電池の世界ですよね。

 結晶シリコン型
   ↓
 薄膜型(アモルファスシリコン型)
   ↓
 化合物型 
   ↓
 有機型

と進化しています。

結晶シリコンや薄膜型は、原料にシリコンを使います。
化合物系は、銅やインジウム、ガリウム、セレンなどの
化合物を使います。
ここまでは、無機物系の原料です。

有機型は植物の光合成のメカニズムを
応用した技術なので、
有機色素を使います。
これまさに、有機物。

テレビなどのパネルの技術に使われる
有機ELディスプレイも有機物。

そして、鉄に比べて重さは1/4、強度は10倍という
特殊繊維である炭素繊維や
整った結晶構造を持ち、軽くて丈夫な素材として
注目度が増している等方性黒鉛も
炭素を利用した技術に他なりません。
炭素を制するものが、世界を制すというわけですね。

ご参考までに、博士が選んだ有望技術のうち、
日経ヴェリタス企業評価チームが
選出した各分野の代表企業ベスト5は以下の通りです。

【有機EL】
1.出光興産
2.住友科学
3.アルバック
4.コニカミノルタホールディングス
4.三菱ケミカルホールディングス

【カーボン】
1・東レ
2.東洋炭素
3.東海カーボン
3.帝人
5.三菱レイヨン

【太陽電池】
1.シャープ
2.アルバック
3.三洋電機
3.昭和シェル石油
5.カネカ

太陽電池市場では、昭和シェル石油は
後発組ですが、総額1000億円を投じ、
2011年には、1000メガワットという
世界最大級の生産能力を有する
太陽光発電パネル工場を完成する予定です。

パートナーはアルバック。
技術提携して、量産技術の共同開発を行います。
ちなみに、昭和シェルが取り組むのは、
シリコンを使わない化合物系の太陽電池です。

アルバックは、今後、太陽電池市場の主流になる
薄膜型太陽電池の製造装置メーカーです。
薄膜型対応の製造装置を手掛けている
メーカーはまだ少なく、
太陽電池生産に関心を持ってる
中国、インド、中東などからも
多くの見学者がやってくるそうですよ。

次世代のテレビディスプレイとして注目されている
有機ELの技術も高く評価されており、
大変、おもしろい会社だと思います。

ちょっと、目新しいところでは、カネカですか。
カネカも、次世代の薄膜型太陽電池の生産に
乗り出しています。

日本には、カーボンを利用した技術がたくさんあります。
多くの企業がカーボンを制して、
世界に躍り出てほしいですね。

(2008/8/26 記)