グリーン電力証書と市民風車

新聞、雑誌などに目を通していると、
このところ、環境問題や環境技術、食、水に関する記事が
増えていますね。
消費者レベル、企業レベルでは、
環境問題への関心が大変高まっていることが
その背景にあるのでしょう。

ところが、日本政府は、
環境問題に関して、ものすごく感度が低いですね。
その発言を聞いていても、
環境問題に真剣に取り組む決意のようなものが
まったく伝わってきません。

現在、日本の総電力量に占めるグリーン電力の割合は、
わずかに1%にすぎません。
では、これからどうするつもりなのか。

日本では自然エネルギーによる発電を推進するために
2003年4月に、
PRS法(電気事業者による新エネルギー等の
利用に関する特別措置法)が施行されています。
この法律では、
風力・太陽光、廃棄物(バイオマス)、中小水力の
新エネルギーによる発電を事業者に義務付けています。
その導入目標を、海外と比較してみましょう。

日本        1.63%(2014年)
イギリス     20.00%(2020年)
デンマーク   30.00%(2020年)
ドイツ       45.00%(2030年)
スウェーデン  50.00%(2020年)

海外では自然エネルギーに
大規模な水力発電を含めるため、
カウントしていない日本とは単純に比較できないものの
この差について、どう思われますか?

付け焼刃の政策も気になります。
日本は、他国に先駆けて、1994年度に
太陽光発電を家庭に導入する初期費用を補助する
支援制度を設けました。
その結果、日本の太陽電池導入量は、
世界首位へとのぼりつめました。
ところが、2005年度にこの制度を打ち切り、
日本は、首位の座をドイツに譲ることになったのです。

そして最近、福田首相は、
補助金制度を復活させるとしていますが、
補助金率は未定です。
かつては出力1キロワット当たり
50万円以上だった補助金が、
制度廃止直前には2万円まで下がっており、
この金額程度の水準を考えているのであれば、
あまり効果があるとは思えません。
なぜなら、太陽光発電を
標準的な家庭に導入しようとすれば、
現在、250万円前後の費用がかかるからです。

申し訳ありませんが、
やっぱり政府はあてになりません。
政府の動きに業を煮やした企業や消費者は、
自ら、行動を起こし始めています。

その1つの取組みが、グリーン電力証書。
グリーン電力証書というのは、
自然エネルギーで発電された電気の環境付加価値を
証書の形で購入するものです。
つまり、実際にグリーン電力を直接購入しなくても、
証書を購入することで、
通常料金よりよけいに多くの電気代を支払い、
グリーン電力を使ったとみなすシステムなのです。

もちろん、集まったお金は、
自然エネルギーの発電事業者に流れる
システムになっています。

日本企業のグリーン電力証書購入ランキングは
以下の通りです。

               (2007年7月現在)
順位 企業名 電力購入量
(万キロワット時)
1 ソニー 5545
2 ヤマダ電機 1810
3 野村ホールディングス 590
4 アサヒビール 330
5 ホールネットワーク 270
6 セイコーエプソン 200
中外製薬 200
東京放送 200
トヨタ自動車 200
日本ガイシ 200
                  (オルタナまとめ)

それから、「市民風車」という取組みもあります。
風力という未利用な自然エネルギーを
地域のひとたちの手で生活に有用な電気という財に
変えていこうという取組みです。

「市民風車」の第一号は、
2001年に始動した北海道浜頓別町の
「はまかぜちゃん」。
建設費用などの経費は、
ファンド方式で集めます。
地域住民が1口10万円〜50万円で投資を行い、
総額20億円集めたそうです。
利回りはこれまでのところ2%台前半なのだとか。

考えてみれば、ヨーロッパでも、
地域や市民の参加が、
エネルギー生産や市場のあり方を変えていったわけで、
日本でも、そのような地道な取組みが
必要なのだと思います。

(2008/8/13 記)