肥料株上昇

昨今の穀物高騰により、
米市場で肥料株が注目されています。

各国の政府が穀物増産のために、
農業のテコ入れを行っており、
単位当たりの収穫高を増やすのに有効な
肥料の需要が拡大しているからです。

肥料会社というと大変地味な存在ですが、
実は参入障壁の高いビジネスなのです。

肥料の3大要素は、リン酸、カリ、窒素ですが、
このうち、リン酸とカリは鉱物で、
その調達先は、カナダとロシアに偏っています。
このカナダやロシアの鉱山の開発権益を
持っているかどうかが、
このビジネスに参入できるかどうかの
カギになるわけです。

当然、地元が有利になるわけで、
現在、肥料生産能力では世界最大手の
ポタッシュ・コーポレーション・オブ・サスカチワンは、
カナダに本拠地を構える会社です。
株価はこの1年で2.6倍に上昇しました。
(ちなみに、同時期、NYダウは7%下落しています。)

話を肥料に戻しますが、
カリの価格は、新興国を中心とした旺盛な需要や
原油高による生産コストの上昇などから
ここ数年で約4倍に跳ね上がっています。

この追い風を受けて、
これまで見合わされていた新鉱山の開発が、
再開されるなどの動きも見られますが、
短期間での増産に結びつく動きではなく、
当面、需給の逼迫は続くものと思われます。

実際、肥料の値段は上がっているのでしょうか?
今年4月、カナダの肥料3社で構成する
輸出組合が窓口となって
中国の肥料販売最大手と価格交渉を行ったところ
前年比3倍の値段がついたということです。
確かに肥料メーカーに軍配があがったんですね。

穀物関連銘柄の好調ぶりは、
肥料株にとどまりません。
世界の穀物市場の川上から川下までをおさえる
グローバルコングロマリットである
穀物メジャーも好調です。

川上から川下までというのは、
穀物の生産、栽培 → 管理・保存・流通
→ 加工・販売の一連のプロセスをいいます。

現在、世界の穀物市場は米国2社のほぼ寡占状態。
その2社というのは、
カーギルと
ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)です。

3番手にオランダのバンゲ。
バンゲの株価もこの1年で1.5倍に上昇しています。

カーギルは非上場の会社ですが、
穀物商社と肥料部門を集約して上場した
モゼイクも買われています。

ところで、
世界の穀物関連銘柄(アグリビジネス関連銘柄)
に投資をするファンドがあります。
ドイチェ・アセット・マネジメントが運用する
「DWSワールド・アグリビジネス・ファンド」です。

このファンドには、本日紹介した企業のほとんどが
組み入れられています。

もともと、世界レベルでも、
アグリビジネスを専門にウォッチしているアナリストは、
ほとんどいないそうですが、
そのうちの多くのアナリストが、
このファンドの運用チームに集結しています。
アグリファンドの草分けといってもよいファンドでしょう。

このファンドの動きは、要注目です。
アグリビジネス関連記事は、以下をご参照下さい。

「ヘンプは地球を救う」(2007年8月1日)

「農場は油田と変わらず重用」(2007年9月18日)
「究極の資源」(2007年9月26日)
「アグリビジネス銘柄の切り札」(2007年10月18日)

(2008/5/28 記)