太陽電池製造世界NO.1陥落

サブプライム問題、円高、政治の機能不全という
三重苦の状態を考えると、
短期的には、まだまだ波乱の相場が続きそうです。

そのような状況下でも唯一、今後3−5年の相場で
世界のコンセンサスが得られそうなテーマは、
やはり環境しかありません。
環境技術関連企業は、単なる理想買いの時期から、
数字を伴った実需買いの時期に入ってきたからです。

少し前の話になりますが、
3月28日付けの日経新聞の観測記事で、
太陽電池製造装置メーカーのエヌ・ピー・シー
2008年8月期の連結経常利益は
前期比約4割増の11億円程度と
過去最高を更新する見通しだと報じています。

やはり、日本における環境技術で注目すべきは、
太陽光発電、原子力発電、燃料電池、電気自動車
などでしょうか。

太陽電池といえば、3月29日、
生産量で長く世界一を保ってきた日本が
2007年にトップの座を譲り渡したと
太陽電池業界の米専門誌「PVニュース」が
報じていました。

企業別でも、7年連続で1位だったシャープは、
ドイツの新興メーカー、Qセルズに抜かれ、
2位の座も中国のサンテック・パワーに
脅かされています。

日本のトップ陥落の主な原因は2つあります。
1つは、原料であるシリコンの調達に失敗したこと、
もう1つは、政府が住宅用太陽光発電への補助金を
2005年度に廃止したことです。

世界の太陽電池の生産量は、2006年時点で、
前年比43.4%と急性長を遂げている市場なのに、
補助金打ち切りなどと、
メーカーの足を引っ張るようなことをして、
何たる愚策!!
国の先見性ゼロのセンスに唖然としてしまいます。

しかし、この逆境を跳ね返す技術力が
日本企業のすばらしさです。
シャープは今、すごい技術を開発していますよ。

太陽の動きに合わせて
太陽電池を動かしながら発電する
「集光追尾型」の太陽電池がそれです。
使われているのは、人工衛星。。
4.5ミリ角という極小のレンズのため、
太陽光を常に直角に受け止めるよう
太陽電池を動かして、
1点に光を集めるしくみになっています。
これなら、現在主流の結晶系太陽電池
(約15センチ角)の
たった1000分の1の面積で、
2倍近くも発電できるそうですよ。

もう1つ、注目の技術は、
シースルー型太陽電池です。
これは、薄膜系太陽電池の用途の拡大を
追求した技術です。
薄膜系太陽電池は、シリコンの使用量を
結晶系の1/100に抑えたもので、
これを、普通の窓ガラスやサンルーフのように
利用すれば、太陽の光を通しながら発電する
シースルー型太陽電池になるというわけ。
今までは、発電するだけだった太陽光パネルが、
発電するインテリアや車のサンルーフとして
利用されることになります。

このように、
多種類の太陽電池を製造することが
可能なシャープでは、
住宅屋根向けに「結晶シリコン型」、
高温地域での発電向けに「薄膜型」、
太陽光を集光しやすい乾燥地域向けには
「集光追尾型」
と地域によって、3種類の太陽電池を
売り分けていく方針を打ち出しています。

シャープは、一般家庭用の太陽電池市場が
立ち上がる前から、人工衛星用の太陽電池を
手掛けてきた老舗であり、
技術力では海外勢を圧倒しているのです。

シャープだけでは、ありません。
ホンダの子会社、ホンダソルテックでは、
銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物を
素材とした薄膜系太陽電池を
製造する技術を持っています。

フジクラ、アイシン精機、TDK、太陽誘電などでは、
光を当てると有機色素から
電子が放出される原理を利用した
色素増感型太陽電池の技術を開発しています。

このように、シリコンを使わない
太陽電池製造技術に優れた日本は、
やはり、世界NO.1だと思うのです。

国がこれらの企業の足をひっぱらないか、
それが心配です。

(2008/4/1 記)