日本風力開発

新興三市場(ジャスダック、マザーズ、ヘラクレス)に
上場する企業の2007年4−12月期の業績で、
前年同期と比較した増収率が1番大きかったのは、
日本風力開発です。
増収率は308.2%と
2位のタイヨーエレック(パチンコ機の開発)の243.4%を
大きく引き離しています。

少し古い数字になりますが、
2006年末時点の世界における風力発電の設置容量は、
7422万キロワット。
2010年には1億6000万キロワットの設置容量が
見込まれており、
金額にすると、年間3兆円規模とも言われています。

導入量のランキングは以下の通り。

1.ドイツ      2062万キロワット
2.スペイン    1161万キロワット
3.米国       1160万キロワット
4.インド       627万キロワット

太陽電池の時にもご紹介しましたが、
ドイツは政府が法整備を行ってその導入を支援しているので、
世界全体の導入量の約1/3を占めています。
また、ヨーロッパアとアメリカで80%以上になっています。

それに比べて、日本では普及が遅れており、
139万キロワット程度にとどまっています。
日本は地形が複雑で、
風況、騒音、景観などを考慮すると
大型の風力発電所の設置に適する場所がないというのが、
その理由です。

風力発電会社の2005年時点での
市場シェアは以下の通り。

1.ヴェスタス(デンマーク)  33%
2.ガメサ(スペイン)      17%
3.エネルコン(ドイツ)     15%
4.GE(米)            11%

ちなみに、この時点での日本企業のトップは
三菱重工の約2%です。

さて、日本風力開発に話を戻します。
まず、日本の風力発電業界は大手8社で
100%近いシェアを握っています。
その中で、日本風力開発は
約14%のシェアを持っており、
3位に位置しています。

日本風力開発の事業の柱は、
風力発電所開発事業と売電事業です。
売上高ベースのシェアは、
前者が約7割、後者が約3割となっています。

創業時の主力事業は、
発電機の輸入販売でしたが、
徐々に自社発電による売電事業へと
業態転換が進んできています。

業績が伸びている理由は、
買電事業の好調と風力発電機の販売が
伸びていることにあります。

今年最大の注目材料は、
青森県六ヶ所村の二又風力発電所が
運転を開始することです。
この発電所の最大の特徴は、
日本発の蓄電池併設型風力発電所であることです。

風力発電の最大の問題点は、
出力が安定しないことです。
そのため、発電の一部を蓄電に回し、
風量にかかわらず一定量を
売電できるようにしたのです。

この話で何かを思い出しませんか。
そう、この発電所で使われる蓄電池は、
日本ガイシが製造しているNAS電池なのです。
NAS電池については、
「NAS電池の日本ガイシ」(2007年10月4日)
をご参照下さい。

風力発電の発電量は風量に大きく左右されるため、
通常の風力発電所からの電気は、電力会社が、
1キロワット時あたり、
電気価値 約3円 + 環境価値 約7円 = 約10円
で買い取ります。

一方、蓄電池併設型では、電量が安定するため、
電力会社のほかに一般電力需要家や卸電力取引所が、
電気価値 約10〜20円 + 環境価値 約7円 
= 約17円〜27円で
買い取ってくれるのです。

当然、売上も利益も伸びる可能性大ですよね。

今後の問題点は、用地取得競争が
激化することです。
先ほどもお話しましたが、日本には風力発電所の
設置に適した場所があまりないのです。
そう考えると、国内に8社もある
主力風力発電会社の合従連衡の可能性が考えられます。
特に、日本風力開発の株は、
投資会社のスパークス・グループが、
2008年2月28日現在で、7.17%保有しています。
再編の目玉になりそうですよね。

(2008/3/7 記)