天下取りを目指すアークス

昨日は、
イオンのM&A戦略をご紹介しましたが、
地方の食品スーパーにも
がんばっている企業があります。
北海道は札幌に本社を構えるアークスです。

アークスは、北海道の食品スーパーが
連携した持ち株会社です。
中核店舗は、ラルズ、福原等。
「感動する安さの提供」を旗印に、
北海道に根ざしたビジネスを展開しています。

アークスの横山社長のM&A戦略は、
決して強権的なものではなく
「買収先の社員と家族のような関係を築く」
ことを重視しています。
この理念の原点は、
高校卒業後に2年間務めた地元の炭鉱での
経験にあるようです。

安い賃金で、危険なトンネル堀の仕事を請け負う
派遣労働者達の姿に、
格差社会の現実を見せつけられ、
「このような理不尽はいかん」
という思いが、支配的なM&Aの手法に
疑問を抱かせたのでしょう。

さらに、横山社長を
力の弱い地元スーパーの団結の
旗振り役に駆り立てている原動力は、
イオンやイトーヨーカ堂など
ナショナルブランドスーパーの北海道進出から
郷土を守りたいという反骨精神にあります。

今や横山社長は、北海道を守るだけでなく、
全国展開を目指そうとしています。
アークスの売上高は、
2005年2月期の決算で2000億円を越えました。
商圏人口の少ない北海道では、
売上高2000億円が臨界点と言われています。
道外に飛び出す時期がきたようです。

「道外で地域密着のスーパーと手を組んで、
地場の仕入れなどは現地に任せたうえで、
物流情報や会計システムなど
統合すべきところは統合する。」
これが、横山社長のやり方です。
あくまでも、地元重視。

これは、スケールメリットを活かして、
一括で大量仕入れ行う
イオンやイトーヨーカ堂とは
一線を画するやり方です。

北海道のローカルスーパーから、
“血の通ったM&A”を武器に、
全国展開を目指そうとするアークスは、
イオンやイトーヨーカ堂のような
ナショナルブランドの対抗軸として、
天下を取ることはできるのか。
その動向は、要注目です。


(2007/3/2 記)